愛知環状鉄道とは

 

愛環 200-100+300の3両編成
200-100+300の3両編成(新豊田駅) 2000系(北野桝塚駅)

 

 愛知環状鉄道(通称 愛環(あいかん))は、JR東海道線岡崎駅とJR中央本線高蔵寺駅の間45.3キロを走り、名古屋を取り巻く岡崎、豊田、瀬戸、春日井の4市を南北に結ぶ鉄道である。路線は中岡崎−北岡崎間、北野桝塚−三河上郷間、瀬戸市−高蔵寺間のの3区間が複線、残りが単線で1500V電化されている。なお路盤は岡崎駅付近を除き複線分確保されている。岡崎駅付近を除いて立体交差になっており、高架・トンネルの多い近代的な路線である。

 沿線は都市化が進んだ地域が中心で、沿線4市の人口は合計100万人を超えている。また沿線に高校・大学が多く立地しており学生の利用が多い。こうした恵まれた状況もあり愛環は平成2年度から11年連続黒字(経常利益)を計上しており、第三セクター鉄道としては経営状態は良いほうである。なお現在進められている輸送力増強工事に伴う支出増のため平成12年度から赤字決算となっている。

 愛環の歴史は昭和45年10月に国鉄岡多線として岡崎−北野桝塚間で貨物営業を開始したことに始まり、昭和51年4月に新豊田まで延長して旅客営業を開始した。しかし貨物輸送はトラック切り替えにより減少し、旅客輸送も伸び悩んでいた。こうした中、鉄道建設公団により建設中であった岡多線新豊田−瀬戸市間と瀬戸線瀬戸市−高蔵寺間を合わせた新豊田−高蔵寺間25.8キロについて国鉄は赤字が予想されることを理由に引き受けを拒否し、既に開業している岡崎−新豊田間と共に愛知県と沿線4市を中心に設立された第三セクタ−「愛知環状鉄道」により営業を引き継ぐ事に決まった。こうして愛環は昭和63年1月31日に岡崎−高蔵寺間45.3キロが開業し、現在に至っている。

 車両は平成15年3月より運行開始した2000系が2両編成15本30両、開業時からの100型+200型の2両編成が4本8両、両運転台の300型が4両の合計42両が在籍し100・200・300型による3両編成および2000系の2・4両編成により運行されている。なお100・200・300型は2000系導入により廃車が進み2004年までに11両がえちぜん鉄道に譲渡され、単行に改造の上使用されている。

 ダイヤはすべて普通列車で、岡崎−高蔵寺間の折り返しを中心としてラッシュ時約20分間隔、昼間約30分間隔で運転されている。(2005年3月1日より万博輸送のためほぼ終日20分間隔運転。) 岡多線時代は13往復26本のみの運転であり運転本数は3倍以上に増えている。

 愛環は2005年に開かれる愛・地球博(愛知万博)の会場のそばを通ることから主要アクセスに位置付けられており、高蔵寺駅でのJR中央本線と直通化工事や高蔵寺−中水野間の複線化、万博八草駅の改良工事が行われ、万博開催時には名古屋駅から万博八草駅まで直通列車「エキスポシャトル」が1日40往復走ることになっている。
 また輸送力増強のため部分複線化工事(中岡崎−北岡崎、北野桝塚−三河上郷(前述2区間2001年12月完成)、瀬戸市−中水野(同2004年10月)の3区間)や篠原駅交換駅化工事(2001年12月完成)が進められ、これにより運転本数が現在の1時間に最大3本から4本になる予定である。このほか新型車両2000系の導入によりスピードアップも予定されている。これらにより今後さらに利便性が高まることになっている。また2005年以降三河豊田−新豊田間の複線化が予定されている。

 

2000年4月作成 2005年2月改訂

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